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働く女性の5割が非正規

働く女性の5割が非正規。先進国中では最低の性差別大国ニッポン

「働く女性5割」に潜む根強い女性差別

日本の14歳以下の子ども(外国人を含む)は、前年より18万人減り、総人口に占める割合はわずか12.1%で、少子化に歯止めがかからない深刻な状況が先日報じられました。

また、2018年の女性の就業率が全年齢ベースで51.3%となり、50年ぶりに5割を超えたことも、総務省の労働力調査でわかりました。

具体的には、

  • 女性の就業者は前年に比べ87万人増え、男性の45万人に比べ2倍近く増加
  • 25~34歳が77.6%で、前年より1.9ポイント増加
  • 35~44歳は75.8%で、前年より2.5ポイント増加

とこれまで子育てで仕事を離れがちなミドル層も軒並み上昇していました。

「働く」という行為は、人生を豊かにするリソースを得る手段です。なので働く女性が増えるのは喜ばしいし、子育てと仕事の両立への取り組みがある程度成功していると読み取ることもできます。

問題はその「働かせ方」です。

調査では男性の正規雇用が29万人増え非正規は22万人増だったのに対し、女性では正規雇用が24万人増え非正規は62万人増。男性の3倍近くが非正規雇用だったのです。

現在働いている人の3人に1人が非正規雇用とされていますが、女性に限ると2人に1人。4年生大学を卒業していても、いったん子育てなどで仕事を離れると正社員になるのは至難の技。どんなスキルを持っていようとも、非正規でしか雇ってもらえません。

さらに、男女間では依然として賃金格差が大きく、男性を100とした場合の女性の賃金は73.4。これは先進国では最低レベルです(2017年賃金構造基本統計調査)。

正規雇用の場合、男性の平均年収は547万円なのに対し、女性は376万円。非正規では、男性229万円に対し女性は150万円とかなりの格差が生じています。

賃金の男女差は「管理職の少なさ」や「就業年数」などで説明されがちですが、この数字をみればわかるとおり明らかな「性差別が存在しているのです。

そもそもなぜ、女性の賃金は低いのか?なぜ、日本は欧米に比べ賃金の男女格差が大きいのか?

パート」という言葉に、その答えが存在します。

高度成長期、日本企業の多くは主婦をパートとして安い賃金で雇うことで人手不足を補ってきました

当時はパートはあくまでも「補助的な存在」だったので、賃金も安くて当然だと考えられていました。

ところが、次第に熟練したスキルを持つパート従業員が現場を支えるようになり、賃金格差が問題視されるようになってきました。

しかしながら、企業はパートの担い手が主婦がだったことを理由に「男性正社員とは身分が違う」と全く賃金格差を解消しようとしませんでした。

そして、正社員の賃金が職務給や年功制で上がっていくことを正当化するために、「能力」という言葉を多用し賃金格差を問題視する視点そのものを消滅させてしまったのです。

現在も「能力」という言葉で非正規と正規雇用の格差を正当化する手法は一向に変わっていません。女性にはその論理が、色濃く反映されているのです。

前述したとおり、本来「働く」という行為には、経済的利点以外にも人の生きる力を引き出すリソースが存在します。能力発揮の機会、自由裁量、他人との接触、身体及び精神的活動、1日の時間配分、生活の安定、定期的な休息などは、すべて働くことで得られるリソースです。

リソースは世の中にあまねく存在するストレッサー(ストレスの原因)の回避、処理に役立つもののことで、ウェルビーイングを高める役目を担っています。ニーチェが仕事を「人間の背骨」に喩え、マズローが「幸せな人はみなやりがいのある仕事をしていた」とするのもこのためです。

しかしながら、今の日本社会では「働く」ことは企業の人手不足を補う行為でしかなく、「働き手」を豊かにするものにはなっていない。まさに労働が搾取されているのです。

ちなみに今回の10連休も「全く休めない」とした人は男性9.4%だったのに対し、女性は21%の高さでした。

女性の「働き方」と「働かせ方」を考えることは、すべての男性がリソースを享受できる社会を目指すことでもあります。






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